先月、某所の子ども会からご依頼いただき、「とびだすカードづくり」のワークショップをやったときのこと。
総勢10数名の子ども達と一緒に楽しくカードを作って「やっぱり子どもと一緒に何かを作るのは楽しいなぁ!」と満足して帰ってきたのですが…。
子ども会の役員である親御さんが三名付き添いで会場に居たのですが、その中のおひとりが、自分の子どもが制作しているところに口を出して出して出しまくる。
その方のお子さんは(確か)4年生、低学年でやり方が分からない、とかそういうことではない(そういう子は高学年の子たちが率先して教えていた)。
「遅いなぁ、切るのが。ハサミの持ち方が悪いんだよ。」
「もっとまっすぐ切りなさい。あぁほらズレた。」
「次どっち切るの?そっち!?こっち先に切ったら!?」
「あぁ下手クソ!もう貸して!(勝手に親が切りはじめる)」
ここに至って私がレフェリーストップ(むしろドクターストップか)。
「お母さん、今日はお子さんがカードを作るワークショプなので手出し口出し無用です。」
そもそも、こういうことを危惧して始まる前にやんわりと、
「お子さんひとりひとり作るスピードに個人差がある。」
「ものすごく丁寧に作る子もいれば、早いけどめっちゃ大雑把な子もいる。どんな風でもOK。」
「こちらが用意した仕掛けを勝手に改造する子もいますが、大歓迎。」
「親御さんたちは、子どもがヘルプ出すまでは手伝ってもらわなくて大丈夫。」
と伝えてあったけれど、口出し手出しする大人ほど人の話を聴いていない。
そのくせ子どもには「先生の話聴いてた!?」とか言ってる。
「聴いてないのはお前だ〜!」(笑)
いや、笑い事じゃない。
子どもがやることを見ていて全てに口を出す、そんな大人がたくさんいる。
見てから口出すどころか、やる前に「今からどうするのか」を訊いて「それはダメだこうしろ。」とか言う大人もたくさんいる。
そして自覚症状が無い人が多い。
このワークショップのようなのは分かりやすい例だけれど、気をつけていないと親という生き物は子どもに余計なことを口出ししがちだ。
例えば日々のちょっとした選択に口出ししていないか。
「え!?寒いからもう一枚着ていきなさい!」
「せっかくこういう店に来たんだからコレを食べなさい。」
「風呂に入る前に先に宿題やりなさい!」
「頭痛いから学校行きたくない?じゃあ歩いていくか、車で送って行くか選ばせてあげる。」
例えば子どもが進学先を選ぶとき、就活するとき。
大人の浅知恵を押しつけようとしていないだろうか。
「○○高校よりも、こっちが向いているんじゃない?」
「民間企業は厳しいから公務員目指したら?」
「そんな会社聞いたことないなぁ、○○銀行のほうがいいんじゃない。」
私は公務員なのでよく、
「うちの子、公務員が向いていると思うんだけどどう?」という(よく分からない)相談を受ける。
そういうとき、必ずお伝えするのは、
「お子さんが公務員になりたいって言ってるんですか?言っているのなら、直接ご本人の相談に乗りますよ。」
ということ。
大体、親が言う「うちの子は公務員に向いている。」ってどういうことなんだろう。
親という生き物は暇にしておくとロクなことをしない。
他人のふり見て我がふり直せ、自分も気をつけないといけないなぁとしみじみ思ったのでした。